St.Louis Fish Market Restaurant

この店はどちらかというと気軽に行く店ではなく、お客さんと一緒とか記念日などに行く店だ。新鮮な魚を揃えているので洋風の料理としてシーフードを楽しむのならこの店は外せない。シーフードではブリストル(↓)が有名だが、こちらは味的には対局の軽めの味付けと新鮮な魚ならではの絶妙な火の通し具合がポイントだ。店は200人以上入る大きな店だが、週末にはいつも混んでいるので予約しないと1時間以上待たされる。店内は明るく広々とした感じだが、少しテーブルが小さめだ。セントルイスでシーフードを食べるお客はいないと思うが、味的には接待も可能。値段は少し高めでフルコースで$60(メインは$30)程度だろう。

茹でたカニは盛り合わせ方によって何種類か選ぶことができ、茹でたてのほかほかをバスケットに入れて持ってくるその味はランドリーズやジョーズクラブシャックより絶対に美味しいし、日替わりの魚料理は全体的に軽めの味付けなので、洋食に慣れていない日本人にもお勧めできる。特に、中心が微妙に半生という焼き加減は、アメリカ人にもこんな芸当ができるのか、と驚いてしまう。また、生牡蠣は小振りだが鮮度的には何の問題もない。日本酒もあるが、あまり質のいいものではないので、どちらかというとワインの方が美味しい気がする。

この店には寿司カウンターがあり、中国人の寿司職人が威勢良く寿司を握っているが、はっきり言って見かけ倒しだ。よほどの理由がない限り寿司はお勧めしない。その最大の理由はシャリの柔らかさ。ねっとりしたご飯が寿司ネタにからみつき、口の中で何とも言えない感触を生み出す。こちらのアメリカ人のように、醤油小皿の中でゴロゴロと寿司を転がすには良いとは思うが。デザートはやめておいた方が良いだろう。

 

Blue Water Grill    

アメリカンなレストランではなかなか手軽にシーフードを食べるわけには行かない。お金をたくさん出せばそれなりの選択はあるようだが、家族で気軽に、と言う店は本当に少ない。もし、そんな店があっても、とても日本人の感覚では美味しいといえない、しかし、この店はそんな中でかなりお薦めできる店だ。

店内は150人位は入るというやや大きな店で、どちらかというと少し暗めなインテリアなので、天候が許せば店の外に並んだテーブルで風を感じながら食べるのも良い。この店はシーフードがお薦めだが、なんと言ってもメニューの下の方に並んだコンボ類が一押しだ。カニ、牡蠣、貝類が大きな皿に氷を敷き詰めた上に形よく載せられて出てくる。牡蠣は西海岸産の日本人になじみ深い形のものと、東海岸産の平べったいやや丸い形のものの二種類があって、コンボによっては同時に楽しむことも可能だ。値段は一番高いものでも$20位だし、それで新鮮なシーフードが山盛りで出てくるのだからシーフード好きには外せない店だ。だから、早めに行くか、予約しないとなかなか席を取れない。かくいう私も先日やっとという感じで行って来た。因みに、魚のグリル類もあっさり系の味付けなので、意外と日本の味に近いものがある。

デザート類はごく普通で特に目を配るべきものはない。シーフードで満足しているのなら、なにも甘ったるくて大きいだけのデザートなど必要ないのでは無かろうか?と思ってしまうのだが・・・。

 

    Krei's

いろいろご意見はあろうかと思うが、私としては最もセントルイスらしいと言う意味でこのレストランを最初に掲載した。つまり、中西部のコーンベルト地帯を代表するレストランという意味である。早い話がグレインフェッドのビーフステーキの店なのだ。店は150人は入るほどの大きさだが、結構いつも込んでいる。ここの店は予約をした方が確実だ。ステーキの店でありながら、味付け自体はあっさり目でソースも軽い。ここよりも高い店はいくらでもあるが、肉質はセントルイスで一番ではないかと思う。ニューヨークカットのいわゆるビフテキは赤身主体なのに柔らかいしソースも軽めだ。ヒレはとても柔らかく年寄りにも向いている。お客さんの度肝を抜くのに最高なので社用にも使っている。ワインの品揃えは許容範囲と言える。

写真を見ていただければ分かるように、プライムリブステーキは巨大である。最高6ポンドまで出すことが可能だというそれは、人の食事であることを忘れさせるほどのボリュームを誇る。写真は4ポンド(1.8キロ)のプライムリブだが、これを全て食べきれる日本人はかなり少ない(私は食べたが・・・・)。これを見てしまうと日本の一人前200gのステーキが、まるで小学生のおやつに見えてしまう。もし、写真手前の小皿に取り分けながら食べたら何回分になると思います?脂の乗った肉なので、私としては塩とこしょうで食べるのを薦める。

他にお薦めというか、実は余り選択の余地はないのだが、スープはクラムチャウダー、サラダはハウスサラダかスライストマト、デザートは無難なところではニューヨークスタイルのチーズケーキだが、私としてはアップルストリューデルを試していただきたい。シーフードは大したことはない。

 

Morton's of Chicago

地元の人にも値段と高い店として知られているこの店は、いわゆる金持ちのためのステーキの店だ。全米にチェーンを展開しているそうだが、全て高級志向の店で、お隣カンザスシティのガイドにも高いランクで入っている。値段もそれなりに高く、込み込みで最低一人$70は見ておきたい。入り口には常連客のワインをキープしておくワインロッカーがあり、セントルイスブルースのキャプテンのクリスプロンガーのロッカーもある。店内は200人ほどが入るサイズで、バーの造りも良い。バレーパーキングしかないのが難点だが、オフィス街の真ん中なので仕方がないと諦めよう。高級感のある店なので社用にも充分使えるし、ワインも良いのがある。

ここの店の特徴は、いつもサービスできるメニューに載った皿よりも「今日のお薦め」に重点を置いていることで、客に実際に出すものと同じ生の食材をワゴンに乗せてカラカラと見せに来る。肉類などはちゃんとラップに包まれているが、ロブスターなどはそのまま出てきて、ウェイターが「この肉は○○で・・・、こっちは○○で・・」と早口で得意げに説明していく。基本的にはステーキの店なので、肉類が充実している。どれを頼んでも余り外れはないが、私としてはラムチョップが好みだ。また、面白いのは付け合わせの野菜類で、ブロッコリーなどほとんど手をかけずに食べられるものは、そのまま一株ドーンと出てくる。シーフード類もそこそこ良いものがあることが多く、生牡蠣を置いている数少ない店でもある。

デザート類ではベリー類がいつもあるので、ベリー三種の盛り合わせ(ストロベリー、クランベリー、ラズベリー)の盛り合わせがあっさりしていてお薦めだ。カクテルグラスに盛られて出てくる。また、プリンを出すのでしばらくご無沙汰している人にはありがたい。Krei’sのようなボリュームはいらないが、高級感のある食事をしたい人にはぜひ試していただきたい店と言える。

 

Bristol Bar&Grill

セントルイスでシーフードを食べたいのだが、とアメリカ人に聞くとたいていこの店を教えてくれる。店は200人は入る大きさだが、いくつかに上手に仕切られているので程良い広さを感じる。余りニーズはないとは思うが、社用でも問題はない。メインの皿は$20前後なので、一人当たりはコースなら込み込みで$60くらいか。週末は予約が必要。店員の対応は良い方なので、好みを遠慮なく言った方がよい。

新鮮な魚を使っているのは間違いないので、味付けの好みさえ合えば満足できるのだが、そこまで行くのが難しい。例えばある料理の説明を聞いてみると「新鮮な鮭を…」(いいねぇ)「マリネートして…」(ま、いいけど)「アラスカンソースをかけてグリルして…」(なんか怪しくなってきたぞ)「仕上げにハニーマスタードをたっぷりかけました」(ばかものー!)と、こんな感じである。でもヒヤリングのテストのつもりでお薦めを聞いてみよう。時々、素晴らしい皿がある。くどいようだが魚の質は良い。生牡蠣も食べられるし、サラダも量は多いが結構美味しい。但し、あっさり目ではあるが味付けの方向はやはりアメリカンなので、日本の熟年層には余り向かない。

また、この店はビスケットが美味しいのでも有名だ。私の師匠の久美子さんが「大好きセントルイス」で書いているように、20分くらい毎に焼き上げていて、その度におおきなプレートに載せて席を回り、皿が空になった人に焼きたてを配っている。これを目当てに行く人も決して少なくない。サクッとしてホロッと崩れる食感は結構いける。

 

Uncle Bill's Pancake & Dinner

朝食を外で食べる日本人は余り多くないと思うが、パンケーキの店はあちこちにある。その中で、この店はセントルイスで最初のパンケーキレストランを自称するだけあって、他の店のパンケーキとは一味違う。店は本店の他に3店舗。それぞれは似たようなサイズで100人くらいの収容人数だが、休日の昼ともなると行列が出来るほど。24時間営業なので少し時間を外すと良い。

店の名前ともなっているパンケーキは、日本でもなかなかお目にかかれないくらいフカフカだ。どっしりと固いパンケーキしか見たことのない私には大きな衝撃だった。こんなフカフカのパンケーキで良くアメリカ人が文句を言わないものだと思ってしまう。ただ、塩味が強めなので、そのままホイップバターで食べるには少ししょっぱいかもしれない。また、ここのベルギーワッフルは是非一度お試しいただきたい代物だ。表面がカリッとしていて中がフワフワなのは日本でも滅多にお目にかかれないと思う。朝食系を中心としたメニューだが24時間営業で、どれも比較的まともな部類にはいる。

実は、Manchesterの支店にも行って来た。提供される食事そのものは本店と変わりないようだが、店員の対応はかなり違う。本店の味の中には店員の対応(と言っても普通だが)が入っていたと感じた。Half Young Spring Chickenは薄味のトリの唐揚げだが美味しいと思う。