いろいろヨーロッパ各国料理

意外!ロシア料理

ZHIVAGO'S

ロシア料理というと、どこか美味しくない、という印象をお持ちではないだろうか?私がそうだったから、なのだが、そんな心配はこの店には無用だ。ほとんどセントルイスの西のはずれの住宅地の中にあるにもかかわらず、店の中に一歩入ると、その高級感に驚く。自動ピアノ(週末の夜は生演奏)でロシア民謡が流れる店内は上品な雰囲気で、最初にTシャツ姿で訪れた妻は私をにらみつけた。テーブルセッティングには豪華な絵皿が使われており、ウェイターによるようだが、頼まないのに絵皿の説明をすらすらとのたまう(この絵はロシア革命の折に・・・・・)。150人以上入る大型の店内は週末には満員となる。はっきり言って高級レストランの部類に入り、一人あたりの予算はデザートまで入れるとお酒を抜きで$50位だろうか。社用にも問題はない。

すぐにアペタイザーに行くのもよいが、ここはウォッカが素晴らしい。これを頼んでキャビアを楽しむのも良いだろう。ロシア製を主に20種以上あるウォッカはワインとは別のウォッカリストに載っている。30、60、125、250ccの大きさがあり、60cc以上は病人用の水差しのような(高級だが)入れ物に入ってくる。キャビアはさすがに$40以上するので、お手軽にはレッドキャビアを頼もう。正真正銘のイクラだ($7)。ウォッカは、こんなにいろんな種類があるのかと思うくらいバラエティーに富んでおり、フルーティーな香りのもの、まるで正月のお屠蘇のようなもの、とろっとした甘いもの、その他いろいろだ。

まず、アメリカ人に迎合しない味付けが良い。ほとんどの皿の味付けはあっさりとしたものばかりだ。お勧めは、前菜ではDough-based Appetizer Platter。どう見ても茹で餃子としか思えないもの2種(中は肉とじゃがいも)と肉のパイ2種とポテトパンケーキの盛り合わせだ。Meat Appetizer Platterははっきり言っておつまみ盛り合わせ。スープはボルシチが濃い味だが、マッシュルームスープ(お勧め!)、シーフードスープ共にあっさりとしている。あとはメインコースだが、ビーフストロガノフ以外は薄味の物ばかりで、少なくとも味付けで文句が出ることはないだろう。しかし、高いものは$20を超える。デザートは当たり外れがあるようなので、即断は避けるが、並以上なのは間違いない。

全体的な感じは少しフレンチが入っているようだが、冷めないように一皿ずつサーブするのがもともとロシア式だった(ルイ王朝までのフランス式は最初に全てデザートまで並べる)ことを考えると、どちらがどうとは言えないだろう。勇気を持って挑戦してみては?因みに店の隣は同じ経営のSpaだ。