鳳凰(Phoenix)

大げさな名前の割に控えめなたたずまいのこの店の特徴はなんと言ってもスープの良さと安さだ。店に入ってみすぼらしい内装にがっかりする必要はないし、子供用かと思われる小上がりの異様さは無視しよう。何故かいつもガラガラだ。

上品に作ったチキンスープはこの店の最大の特徴と言える。メニューは中華の他にベトナム系の料理があり、PHO(フォー)と言う麺類を始めとして日本人には馴染みやすいベトナム麺料理を20種類程度用意してある。麺類の値段は$5位なので、どれを食べても財布には優しい。お勧めはV16〜V19だ。中華の麺類のスープというと、日本人には甘口に感じられるものが多いが、この店のはちょうど良い味だ。

また、この店のメインである中華には「炒飯類は上手いが、シーフードはダメ。高級なものもダメ」という傾向がある。一番のお勧めの「揚州焼飯」(ヤンチャオチャオファン)は抜群の出来と言える。これはメニューに載っていないので、直接店の人に注文して欲しい。パラッと仕上がった堅めの炒飯の味は控えめなのでいつまでも食べてしまう。とにかく「飯を噛みしめる」楽しみが最高だ。これに餃子(Potsticker)を頼めば当分、他の店の炒飯を食べる必要を感じないだろう。決して高級な店ではないので高級志向の人にはお勧めしないが、気軽に家族で寄れる、そんな店だ。

最近、Woodsmill(Hwy141)は高速道路化したので、Bigbendとの交差点が西に200mずれて新設された。Schnucksのモールから道路を隔てた反対側のモールの中にある。

 

福楽飯店

店はJoy Luck BuffetでHanleyとManchesterの交差点近くにあり、堂々とバフェの看板を出しています。店に入ってもバフェの店そのものなので、そのまま席に着いたら『さて、取りに行くか』とバフェの感覚になってしまいますが、そこで騙されてはいけません。アメリカ人向けに作られたアメリカン中華など口にする必要はないのです。

この店にはアメリカ人には知らせていない(知らせるつもりもない?)もう一つの顔があります。「チャイニーズメニュープリーズ!」と言ってみましょう。あるいは手っ取り早く、カウンターで漢字メニューを貰ってくるのも良いかも知れません。手にした下敷きみたいなメニューにはアルファベットとは無縁の中国人にしか判別不能の漢字100%の世界が広がっています。(日本人なら大体の意味は分かると思います)

これこそミスターTが「香港でもここまで四川風の料理はなかなか食べられない」と言う本場の味を密かに提供している福楽飯店のもう一つの顔なのです。決まったことしか言わない愛想のない中国人のウェイトレスやウェイターは英語をまともに話せないからで、意地悪なわけではありません。もしかすると、あまりにも変な味のバフェを美味しそうに食べる客の味覚が理解できずに戸惑っているだけなのかも知れません。フロアマネージャーの女性だけは英語が堪能なので、質問があれば彼女に聞いてみるのも良いでしょう。メニューが決まれば指さして注文すれば良いんです。四川料理の「じわっと辛い」何とも言えないあの味がついにセントルイスでも味わえるようになりました。

でも、やはり大切な食事は納得して食べたいもの。そこでミスターTが皆さんのために初心者向けの攻略法を伝授してくれました。彼がこれだけ力を入れて紹介する気になったのはかつて無いことです。もうこれで恐れることはありません。本場四川の味を提供するセントルイスで唯一の店に、さあ、乗り込みましょう!独特のスパイス、黒酢の酸味、複雑な甘み、後で燃え上がる辛さ、これら全てが今、あなたの世界に入ってきます。

あ、値段ですが、なまこ、えび等の海鮮系はそれなりの値段(最高の皿が$20)ですが、「味」を求める人には納得していただけるものと思います。私の基準では飲み物込みで1人$30ですが普通の人は$20くらいでしょう。


新聞によりますと「東京国際料理コンクール金賞受賞、中国政府国賓招待宴四川料理担当主任、中国国家調理学院講師、の程定国先生をシェフに迎えて、3月8日から「正宗川菜」 (本場四川料理)を始めた」との華々しい宣伝です。

確かに味付けはツーリスト慣れした香港、台湾の料理店とは異なり、本格的な中国南西部の地元風な味覚で、かつ昔風の素朴な大陸の味覚です。 あたかも中国内陸都市の一流国営ホテルのレストランで出てくる料理のような味がしました。 (担担麺に入っていた黒酢は香港では絶対に使いませんが、大陸(特に内陸部や華東地区)ではとても一般的な味付け法です) 一方、麻婆豆腐を土鍋に入れ、冷めないようにアルコールランプに載せて出してくるサービスは香港でも流行りの今風のスタイルですね。

メニューの主なものと解説は下記のとおりです。日本人に馴染みがある食材を選びましたが、これ以外にも内臓系、鴨の舌、カエル、各種魚類とかなり豊富な食材を揃えているようなので、勇気がある方々は漢字から想像して試してみると良いと思います。 中華料理の名付けと味付けはシェフによってかなり違うので解説は保証の限りではありませんが、大きくは外れてない筈です。 他にも美味そうな料理もありますが、解説に自信がないのでおいおい試して見ましょう。

四川料理のメニュー作りのコツは、辛い料理と辛くない料理を取り混ぜて、肉の種類を変える、ただそれだけです。 あそこは前菜、主菜とも2人前ほどの量があるようなので、人数が少ないといずれにしても多くは頼めないですね。 
でも、余ったとしても持ち帰りできるので心配する必要はありませんね。料理の残ったお皿を指差して「打包!」 (ダー・パオ!)と叫べば箱に入れてくれます。

5−6人前メニュー例:
(1)辣いのは少しだけにしたい 

冷菜: 蒜泥白肉、怪味鶏塊*
主菜: 四都辣子鶏*、冬菜扣肉、、干煎鱈魚   
素菜: 開洋白菜 
麺点: 紅油水餃*

(2)辣いの大好き

冷菜: 夫妻肺片、蒜泥白肉  
主菜: 水煮牛肉、四都辣子鶏、貴妃明蝦
素菜: 麻婆豆腐
麺点: 紅油水餃

(メニュー解説)  *は辣い料理マーク
* 冷菜
花彫酔鶏 (蒸鶏の紹興酒風味)
蒜泥白肉 (薄切蒸豚肉のニンニク醤油ソース)
涼拌海帯 (細切り昆布の冷菜)
夫妻肺片* (薄切り牛タン、モツの辣油ソース)
紅油耳糸* (細切豚耳の辣油ソース)
怪味鶏塊* (蒸鶏の四川風ごまソース)

* 熱菜
冬菜扣肉 (豚肉の角煮)
四都辣子鶏* (鶏肉の唐辛子炒め)
生爆?煎肉* (豚肉の辛味ソース炒め)
水煮牛肉* (牛肉の麻辣ソース煮込み)
宮保?魚* (イカの唐辛子炒め)
貴妃明蝦* (小蝦のチリソース炒め)
椒?大蝦  (大蝦の塩・胡椒カリカリ炒め)
干煎鱈魚  (タラのムニエル風炒め)
四川豆?魚 (魚の豆板醤ソース)
家常海参 (ナマコの挽肉味噌煮)

* 素菜
麻婆豆腐* (説明不要)
醤焼豆筍 (たけのこの醤油風味)
竹笙菜心 (キヌガサタケと青菜の炒め)
開洋白菜 (白菜クリーム煮)
清炒時蔬 (季節の青菜炒め)

* 麺点
成都擔擔麺* (担担麺、辛し味噌スープそば)
?菜肉糸麺   (細切豚肉・ザーサイスープそば)
紅油水餃*   (水餃子・辣油スープ)
酸辣抄手*   (ワンタン・酸辣スープ)
清湯抄手   (ワンタン・クリアスープ)

 

WonTonKing

このワンタンキングは中華食材店で有名な中央市場の並びにあるので見つけるのは簡単だ。1年8月の開店当初は一つの注文につき30分の時間がかかっていたので、二品注文すると1時間は待たされたものだが、今は普通の時間で出してくる。店は150人は入る大きなもので、典型的な香港のレストランという感じだ(そうだ)。予算は一人$15くらいだろうか。酒はない。

この店は豊富なメニューを揃えているが、やはり一番のお勧めは麺類だ。あっさりした鶏の出汁が利いた薄味のスープはいくらでも食べられそう。麺類は全般的にどれを食べても外れがない。またこの店は粥類も出す。中華粥は店によって独特のスタイル(粘り気、米の砕け具合、スープの味)があるので好みの別れるところだが、個人的にはピータン粥が好きで、2回に一回は注文している。また、海鮮類も比較的良い方で乾物と冷凍品だけでなく、生のエビも使っている。が、全てのエビ料理ではない。全体的にあっさりとした味が多いので、濃い味好きの人には物足りない部分もあるかと思われるが、何回通っても飽きない味であることには間違いない。

なお、酒はないので店内は家庭的な雰囲気が強く、広いこともあって子供が走り回っていたりするのをおやがしかる、と言うのがそのまま店の雰囲気を良く表している。気軽に立ち寄るのに向いている店だ。

 

 

Jade Garden

 

この店は北京系と思われる料理を出す店だ。外観はこのように可愛らしいが、中は外観からは想像できないくらい広い。100人以上収容する能力があるので、混雑する週末に言っても比較的待つことは少ない。予算的には一人$20で十分だ。

この店には3種類のメニューがあり、それぞれにいくつかのメニューが重複して載っている。漢字メニューが一番良いような気もするが、英語メニューに載っているものもあるので一概には言えない。基本的にはマメ系の味噌を上手に使った北の味だ。肉にしてもエビもイカも材料は比較的良いものを使っているし、ボリュームもある。塩味がきつめなので、濃い味が好きな方には堪らない店になるだろう。何を食べても比較的美味しいが、お勧めするのは牛什鍋と回鍋肉だ。前者は中華風モツ煮込み、後者はバラ肉炒めで、どちらも手間を掛けた良い材料を使っている。

この店はいつも比較的混んでいる。店員は英語が不自由な人も多いが、人なつっこい人が多いので、気軽に何でも尋ねてみると良い。どうも中国人のテーブルを見ると、メニューに無いようなものを食べているような気がするのは私だけだろうか?謎を秘めた、いかにも中国らしいレストランだ。

 

Hunan Garden 湖南園

この店の味は昨年からだいぶ良くなった。T社のT氏などからは、なぜ載せないのだろう、とのご質問も頂いたが、ここで改めてお答えしよう。

この店は中国語のメニューを大幅に刷新、充実させた。以前はぺらっとした紙一枚に手書きのメニューがあっただけだが、今は大変品数も増え、味も良くなっている。そこそこ大きい店で150人くらいは入るし、店の雰囲気は悪くない。店員は中国語を話す(結構重要なポイントだ)し、比較的接客態度が良い。前述のように、この店に入ったらまず英語のメニューには目もくれず、「チャイニーズメニュー、プリーズ」と言ってしまおう。中国語が読めなくても気にすることはない。ちょっとした連想ゲームを楽しむようなものだ。大切なのは、中国語のメニューの中には何とかデライトと言った砂糖主体の味付けのものがないし、中国人でも納得する味のものしか置いてないと言うこと。最初に断って置くが、この店の味付けは比較的幅が広く、濃い味のものはかなり濃く、薄味であるべきものは徹底して味が薄い。上手に使えばみんなで楽しめる店だ。

とは言え、失敗したらどうしよう、と考えるのは当然のこと。そこで私がお薦めするのは「紅焼肉」。醤油ダレに漬け込んでから揚げた豚バラ肉で、ビールに最高に合うし、肉好きの子供には嬉しい。これは味が濃い。次ぎに定番だが焼き飯に行こう。「揚州炒飯」は味付けにオイスターソースを使わない、あっさり味の炒飯だ。薄味ファンには応えられない一品だ。その他はミスターTにご紹介願おう。

蛋白瑶柱炒飯  (卵の白身と貝柱のヤキメシ)です。

鼓汁蒸排骨     (骨付き豚スペアリブのモロミ蒸し?)

清炒空心菜        (空心菜の炒めニンニク風味? 広東語では通菜と呼びます)

脆皮炸豆腐        (パリパリ揚げ豆腐?)

椒鹽鮮[魚尢]魚 (イカの胡椒塩味揚げ)

注) イカは魚ヘンに尤もの点の無い字で日本語の漢字にはありません (広東語では墨魚とも言います。墨を吐くので)

 

Mandarin House

セントルイスの中華料理の店の中で、最も規模が大きく、収容200人以上の規模を誇る。もともと西海岸からやってきた大手のチェーン店で、セントルイスではユニオンステーション内に支店を持っている。内装が比較的整っているので、社用に使っても問題はないし、メニュー的にも大手だけあってアメリカ人の喜ぶメニューが多い。近年は毎年日本人会の新年会がこの店で開かれる。日本人の多い地域からは少し離れているが、行ってみる価値はある。予算的には一人$25と言うところか。

この店の味は比較的はっきりした味の皿が多い。従って、薄い味が好みの人は注文に工夫が必要だ。なお、メニューの数はかなりおおいので、某大手鉄会社のY氏のご協力により、Y氏が組み合わせたお薦めのコースメニューを載せておく。また、ここの焼き餃子はちゃんと豚の挽肉を使って丁寧に作っているので、セントルイスで一番美味しい餃子の店と言われている。大きめなので一皿頼むと結構お腹に溜まるから、複数の人数でシェアすると良いだろう。ここのフロアマネージャーは日本語を話す。聞きたいことがあれば気軽に尋ねてみよう。親切に教えてくれる。

 

 

    China Royal  

空港から近いリンドバーグ沿いなので、空港で日本からのお客さんをピックアップしたあとに寄ることが多い。ここの味は比較的日本人にも馴染める。店はかなり広く、200人くらいは入ると思われるが、土曜、日曜日の昼間の飲茶の時間、12時から1時には満席となるので少し時間を外す方がよい。この飲茶はセントルイスの中華としてはかなりまともな部類に入り、飲茶のお客の7割以上は中国系の客で占められる。ワゴンで運ばれてくる20種類以上の料理は高くても3ドル台($5以上のものも少しはある)。普通の人なら4皿も食べれば夕食を抜いても良いくらい十分に満足できるはず。なるべく数人で出かけたい。お薦めはアサリのネギ生姜炒め、ホタテを乗せたシュウマイ、エビ餃子、あんまん、ごま団子など。生姜糖のたれをかけた汲み出し豆腐は乙な味だ。

この店で飲茶以外のお薦めと言えば、何と言っても海鮮焼きそばである。2人で分けたくなるくらいの量があるが、味は日本のあんかけ焼きそばに近く、茹でた麺を炒めてあるので日本のそれより手が掛かっているかも知れない。

オーナーが代わってからこの店では平日のメニューとして本格的な香港スタイルの中華の一品料理も始めた。これは完全に中国人向けで、何も言わないとぺらっとしたアメリカ人向けのメニューを出してきたりするので、ちゃんと「チャイニーズメニュープリーズ」と言おう。時代遅れのカクカクしたワープロ書きで6ページくらいのメニューには一通りのものが載っており、ラインナップでは香港の店にひけはとらない(ミスターT談)。分かりにくいかもしれないが、メニューは漢字なのでインスプレーションを働かせよう。ロブスターとダックは外れだが、それ以外は結構まともなので驚くかもしれない。燕の巣だってフカヒレのスープだってあるし、アメリカを基準にすると比較的薄味に仕上がっている。しっかりした味が好きな人はマンダリンハウスの方が向いている。

 

    Royal Chinese BBQ

中華食材店の多い地区にあるので立ち寄った人も多いだろう。30人ほどでいっぱいになる店の端っこのテーブルではいつも何かの食材を処理している。へたを取ったり、すじを剥いたり。結構家庭的といえる。何を頼んでも大きな外れはないので、安心していろんな物に挑戦できる。運が良ければ魚料理もお勧めとして黒板に出ている。何故だかは知らないが、この店は満員にならない。結構座れてしまう。値段は中華としては少し高めなのが理由かも知れない。駐車場が狭いのが最大のネックだが、横や裏に堂々と停めてしまおう。

この店もSummer Palaceと同様に広東料理の系統なので日本人には馴染み易い味だ。麺類が結構充実しているが、ローストダックを乗せた細麺をこの店の一番のお薦めとする。スープは確かに甘口だが、ローストダックの味は結構良い。ちょっとした贅沢な気分を味わえる。家族で行くのに向いたアットホームな雰囲気の店である。

 

    Great Chef Garden

ここはバフェの店で、年中やっているが、お薦めはズバリ金土日の夜。中華しゃぶしゃぶが食べられる。なんと驚いたことに、しゃぶしゃぶ(ホットポット)を注文しても料金は$2しか上がらない(一人$13くらいだ)。もちろんバフェは食べ放題だ。100人ほど入る大きな店だが、週末の夜はしゃぶしゃぶ目当ての中国人が大挙して押し寄せるので、結構混んでいるが、店が大きいので待たされることはあまりない。

さあ、席に着いたら「Hot Pot Please!」と言ってみよう。しゃぶしゃぶのスープは普通と辛口とどちらが良いか聞いてくるはずだ。どちらを頼んでも美味しいが、欲張って「ハーフアンドハーフ」と言うと、中央にしきりのある鍋に半分ずつ入れて持ってきてくれる。好きな方で楽しもう。具はバフェテーブルの中央に普通のバフェの料理と区別して置かれている。肉類、シーフード類、ワンタン・肉団子類と15種類くらいがある。野菜の種類が3種と少ないのが唯一の欠点だが、値段を考えれば文句を言えるわけもない。

タレは別の場所に箸と一緒に置かれており、料理にかけるタレと兼用だが、甘口しょうゆダレ、ピリ辛しょうゆダレ、ゴマだれ2種と必要なものは揃っている。チンタオビールでも飲みながら仲間とワイワイ鍋を楽しむのは最高の気分転換だ。夏でもやっているので気が向いたときに出かけよう。最後になるが、バフェの料理とてそんなに悪いものではない。味付けは全体的に軽めなので、日本人にも合う。ゴマ団子と薄味で炊いてある大根の煮付けはウチのボスのお気に入りだ。

 

 

Eat First Garden

ページ沿いにあるバフェとホットポット(しゃぶしゃぶ)の店だ。店内は100人ほども入るだろうか。中くらいの大きさだ。どちらかというと、余り混む店ではないが、バフェの味は悪くない。店員の接客態度はほどほど。この店のよさは値段の安さとあっさりとした味付けにある。バフェは週末は$9、ウィークディは$8。Great Chef Gardenよりは品数が少ないが、食べられるものはこちらのほうが多いかもしれない。しかし、野菜類が少し少ない気がする。

ホットポットはいつ食べてもバフェ込みで$11。週末のほうがいろいろなものが出てくるので、同じ値段だし、こちらのほうがお勧めだ。この店では普通のスープのほかにすっぽんのスープ(缶詰と思われる)も一人分づつの容器で出す(いつもあるかどうかは???)。この店のホットポットの最大の特徴は具の種類の多さだ。イカ、貝、カニ等はGreat Chef Gardenよりもいろいろある。肉類も普通の肉のほかにハチノス、レバーなどの臓物系もある。肉類は粉をつけて油で絡めてあるので、ゆでても硬くならない。

しかし、である。このホットポットのタレはゴマ系のものだけで、日本人になじみのある醤油ダレが無いのだ。もちろん、テーブルには醤油はあるが、ゴマダレの味も今一つで、この点ではGreat Chef Gardenに明らかに及ばない。しかし、値段も安いし、何と言ってもすべての味が薄くしてあるので、濃い味にゲンナリしている人にはお勧めしたい。我が家でも妻はこの店が気に入り、私はGreat Chef Garden派と評価が分かれている。因みにデザートは期待しないほうが良い。

 

 

Mandarin Wok

何の変哲もない中華のバフェの店のように見えるが、韓国人の経営の店なので一味違う。店は最近改装したばかりなので、店内は新築の家のような感じだ。80人以上は入る大きさで入り口でスモーキングとノンスモーキングに左右に分かれる。ここの店では麺類を食べよう。

韓国人向けのメニューが別にあり、麺類もその中にある。我々がいつも食べるのはチャンポン麺、じゃじゃ麺、うーるー麺の3種類。チャンポン麺はピリ辛系で、上に野菜がたっぷり乗っており、こくのある白いスープが最高。シーフードバージョン(+$1.5)にすればイカ、干しなまこ、エビなどが入ってくる。じゃじゃ麺(ジャジャンと発音する)は肉味噌系のとろっとした具をスープなしの麺に自分でかけて食べる。チャンポンと同じくシーフードバージョンもある。うーるー麺は日本でいう広東麺だ。あっさりとした味のスープ麺にとろっとした餡がかかっている。シ−フードバージョンを頼むときは「サムソンチャンポン」とか「サムソンジャジャン」と言えばよい。

ここの麺は自家製麺なので、シコシコのつるつる麺だ。多分、セントルイスでこの麺に互角に渡り合える麺はどこにもないだろう。麺食いには堪らない、かなりお薦めの店である。因みに、本来のメニューであるバフェの方はお薦めしない。「一度くらい食べてみるか」とバフェを頼んだところ、「アメリカ人用の味にしてあるから日本人には向かない。やめとけ」と店の人に断られたことがある。

 

Hot Wok

この店の味は、基本的にはアメリカ人に合わせてあり、レモンチキンなどを頼むと心から後悔する。しかし、メニューの最後のページは中国人用なので、味は日本人にも満足できるものが多い。店は50人も入るといっぱいになるが、スモーキングエリアの奥の部屋は空いている。もし、混んでいればスモーキングエリアをリクエストして(たいてい誰もいないので)そのまま吸わなければ良い。

この店で注文できるメニューはオムレツと冷やし中華と中華麺だ。どちらかと言うと前の2者をお勧めする。チャーハンの入ったオムレツが食べられるのはセントルイスではここだけと思われる。チャーハンの中身はチキン、海老、コンビネーションから選べる。ちゃんとケチャップがかかっているのがうれしい。また、冷やし中華もお勧めだ。と言っても日本のものとは違う。あっさりとした鶏のスープにシコシコ麺を入れ、キュウリ、ホタテ、ハム、薄焼き卵を載せて、回りに氷を少し入れたもので、あっさりとしていて食べやすい。日本の味に近づけたかったら酢と胡麻油と芥子を頼めば良い。一つ注意しておきたいのは、なぜかそのまま頼むと、どんぶりの横にピーナッツバターをドサッと付けてくることだ。これを溶いて食べると甘口の味噌ラーメンのような味になってしまう。「Cold Noodle without Peanut Butter」と注文するのが正しい。麺類ははっきり言って可も無く不可も無くと言う感じ。しかし、上に乗っている具が多いし、味は薄めなので好みに合う人も多いだろう。

 

 

    Summer Palace

中華料理店は数々あるが、日本人に会わせて味を調節してくれる店は少ない。そこでこの店を載せてみた。しかし、ちゃんと日本人用にして欲しいと言わないと、アメリカ人用の味付けで出てくるのではっきりと「No Sweet Sauce、Japanese Taste Please」と言ってみよう。

この店は最近オーナーが変わった、新しいオーナーには日本語を話す人もいるが(小柄な年輩の女性)、まだ日本人の味付けの注文に慣れていない。しかし、料理人は変わっていないので、主張すれば比較的日本人に合う味付けにしてくれる。麺類の種類も多い。客に対する対応は良い部類だ。

お薦めはチョイサムベジタブルとホイコーロー:回鍋肉(double sautéed pork)、麻婆豆腐、ワンタン麺など。麻婆豆腐は全く辛くないので、我々はいつも「まーぼーどうふ、エクストラスパイシープリーズ」と言っているが、広東料理のコックさんはなかなか辛くしてくれない。でも味は良い。味の素性の良さに惚れ込んで、いつも日本人用の味にしてもらおうと味付けに細かい注文を付けているので、少しずつ日本人用の味が実現されつつあると信じている。