ミズーリ州は、フランス領に起源を発する関係か、アメリカで最も古いワインの生産地として知られています。今でもミズーリ川沿いの数カ所ではワインの生産がおこなわれており、家族連れでにぎわいます。

そこで作られるワインは、ブドウの糖度が低いためか、全体的に凝縮度の低い、あっさりとした味が多く、現在の流行となっている濃い味(アメリカ人の批評家の好みが世界のワインの味を決めています)ではありませんので、ワイン通という人たちは「ミズーリのワインは味わいが足りない」と言いますが、あっさりとした良い味のものもあります。アメリカのみならず、フランスでも近年は濃い味にするために原料にブドウの濃縮果汁を混ぜていますが、ミズーリワインは昔の製法そのままです。

アメリカで最初にワイン地区に指定されたときから作られているノートン又はシンシアーナと言うブドウはアメリカ在来種と言われ、フランスのブドウとは全く異なる味を持っています。お試しあれ。ワイナリーではテーブルエリアにお弁当を持ち込み、ワインを買って(ボトル)のんびりと昼食を楽しむのが家族連れの楽しみ(どこもほとんど食事になるものは売っていない)。但し、日曜日の午後は飲酒検問を付近でやっている(風船膨らまし)可能性があるのでご注意あれ。

 

Mt. Pleasant Winery

セントルイス周辺に数カ所あるワイナリーの中でも、最も大規模に栽培をおこなっているワイナリーで、かなり広い駐車場、試飲場、テーブルエリアを持っている。ここは年に数回あるお祭りの時は入り口で入場料を払う($5)必要があり、払うとマーク入りのグラスが貰える。従ってこの時はテーブルエリアでワインを買ってもグラスは貰えない。しかし、普段は入場無料で、テーブルエリアでワインを買えばグラスを貸してくれる。

眼下に広がる広大なブドウ畑を見下ろしながらワインを飲めば、アメリカの自然を実感できるかも?土曜日は予約した場合のみ、ディナーを楽しめる。

 

Augusta Winery

マウントプリーザントのすぐ近くの小さなワイナリー。小さなレストランぐらいの大きさしかないので分かりにくい。アメリカ在来種のワインを持っている。お弁当を広げる場所はないが、個人的にはここのシンシアーナ(赤ワイン)がこの近辺のワイナリーの中で一番素直な味で好みだ。

 

Sugar Creek Winery

河岸段丘の上の小さな小さなワイナリー。家族でやっているくらいの小規模なワイナリーで、赤ワインも白ワインもあっさりとした味で日本のワインのようだ。お弁当を広げる場所もあほとんどないが、落ち着いた雰囲気はある。空いているのが唯一の取り柄のような所で、ワインの味はお薦めしない。お弁当を広げる場所がないときにどうぞ。

 

Montelle Winery

シュガークリークと同じく、河岸段丘の上にあるので見晴らしが良く、木陰のテーブルエリアが多いのでお弁当を食べるのには向いている。赤ワイン自体はあっさりとした味で、バランスは悪くないが、物足りないことも事実だ。ここではむしろ白ワインの方が全体的に美味しい。ワインを頼むとプラスチックのグラスになるが、テーブルを回るウェイトレスもいるので昼食を楽しむならここが一番。マウントプリーザントのように騒がしくもないし、むちゃくちゃ込んだりもしない。個人的にはここでのお弁当が一番好きだ。