コロラドからロスアンゼルス大忙しの旅1

 

まずはセントルイスからデンバーまで飛行機で飛びます。その後空港でレンタカーを借りて山の中のブレッケンリッジまで。

ここで開催されている安全セミナーに参加します。

デンバー国際空港は最近拡張が終わって従来のメインターミナルに加えて二つの大きなサテライトができました。アトランタ空港みたいな形式の直線のサテライトなので、中心部の地下鉄に行くまでが結構大変です。ながーいエスカレーター(?)を何本も乗り継いで中心部に行きます。
サテライトの中心部に来たら、今度は地下鉄に乗り換えます。この地下鉄はアトランタなどの大きな空港で使われているものと全く同じ地下鉄で、確か名前まで同じだったと思います。
メインターミナルはデンバー空港ご自慢のグラスファイバーをテントの様に張った屋根が特徴で、何とも言えない明るさを出しています。

ここでレンタカーをピックアップ。長距離を走るのでフルサイズをウィークリーレートで借り出します。今回はダラーレンタカーを使ったので、ハーツみたいなGPSが付いているわけでもなく、バジェットみたいに洒落た外車を借りれるわけでもなく、ごく普通の車でした。

私が借り出しの手続きをしている間、ひまひましていた千恵は鉄道博物館のパンフレットを見つけてきました。どうやら道中にあるみたい。よし、行くか!

デンバー空港からI−70を西に向かい、街を過ぎた辺りで山の縁に鉄道博物館はありました。コロラドはもともと鉱山の州なので、デンバーは鉄道の拠点でした。その関係からいろんなものが置いてあるらしいです。
本館の地下には精巧な鉄道模型が飾られていました。25Cで3分間動きます。本当に綺麗で、小さな子供が目を輝かせていました。
外には1890年頃の西部開拓時代に一番活躍した機関車が飾られています。先頭に付いている牛よけのカウキャッチャーは木製です。未だスピードがそれほど出ていなかったんですね。
デンバーのリオグランデ鉄道の特急列車の先頭部と貨車です。これには解説が何も付いていませんでしたが、デザインから推測すると60年代前半のものと思われます。初期のディーゼル機関車で、歯車の加工精度が悪かった時代なのでディーゼルで発電機を回して電気モーターで走っていました。きっと燃費は凄く悪かったでしょう。
この蒸気機関車はレールの間に歯の付いたラックレールを持っており、これを機関車の真ん中に付いている歯車を回して進んでいく、いわゆるアプト式鉄道です。日本では昔、軽井沢−横川間にありました。

よく見ると機関車の胴体は水平なのに線路は登りになっているのが分かりますか?これはお湯を沸かすボイラーを上り坂でも水平に保つように最初から上り坂に合わせて車体を斜めに作ってあるんです。

左右のシリンダーは高圧と低圧の二種類を揃えており、小さい高圧シリンダーを動かした蒸気は大きな低圧シリンダーで再び車輪を回す省エネ設計です。

一等客車の中です。昔の新幹線みたいにどちらの方向に進んでも座席が前を向くように座面は動かずに背もたれだけがあっちこっちを向く転換式の座席になっています。但し、そのまま背もたれが動くのではなく、反対向きにする時は背もたれが上下逆になります。

背もたれに付いているリンク機構をよくご覧あれ。

郵便車の中です。ここで仕分け作業ができるようになっているので、中はほとんど郵便局と同じです。

ここの博物館においてある車両の数はセントルイスの交通博物館に比べればずっと少なく、こじんまりしたものでしたが、それなりにユニークなものがあって楽しめました。

ここで今回のレンタカーを紹介しておきます。ドッジのイントレピッドSE2002年型です。まだ2000マイルしか走っていない新車でした。

私が乗っているクライスラーLHSの兄弟車ですが、ちょっとエンジンが小さく(2.5L)なっています。しかし、とても良く回るエンジンで、フロントが軽い分だけ軽快に走ります。

またクライスラーの特徴である賢いクルーズコントロールはこの車にも付いており、とても上手にエンジンをコントロールします。これを使うとフォードのクルーズコントロールなんて恐ろしくて使えませんね。とてもエンジンを積極的に回すようにチューニングしてあるので、走るのは楽しいです。LHSより軽い分だけブレーキが良く利きます。

さて再び走り出してしばらくしてから昼食を兼ねて休憩を取ることにしました。

「ここ、どっかでみたことあるなぁ。たぶん2年前にも来てるよなあ」

確かに2年前にもここで写真を撮っています。この道路の右の向こうに見える小さな白と青の看板が2年前の写真にも写っていました。

田舎の方に来ると、休憩できる場所っているのも限られてしまうんですね。

そんなこんなでデンバーの鉄道博物館から2時間ほどでブレッケンリッジのホテルに着きました。これはホテルの部屋からの写真です。

ブレッケンリッジは標高2900mにあるスキーリゾートで、向こうに見える山は4500m級の山の一つです。あの山の右側がコンチネンタルディバイド、つまり分水嶺になっていて、太平洋に流れる川と大西洋に流れる川の分岐点になっています。

翌日の夕方にカントリーボーイ金鉱に行ってきました。さすが鉱山の名所だけあって、近隣だけで300以上の鉱山があります。

ただ、今は金の値段が下がっているので掘り出すコストを考えると観光の方が儲かるそうです。

ここの鉱山の向かいは別の鉱山になっています。木の橋の下に入り口があるのが分かりますか?近隣の鉱山はほとんど活動をしていないようです。
ここが鉱山の入り口です。黄色いのは鉱山で使っている電動機関車で、トロッコを押したり引っ張ったりするのに使います。
鉱山のツアーに参加すると、最初に鉱山の模型を使って説明してくれます。縦に走っているのが金脈で、それを掘り出すために横から坑道を掘っています。

説明を聞いたら黄色い合羽を着て、いざ金鉱の奥まで出発です。

金鉱の奥までひたすら坑道を進んでいきます。とても中は寒いです。とぼとぼと進むこと400m。現在活動中の場所の近くまで行って帰ってきました。

途中には削岩機とか置いてあって、実際に動かしてくれます。うるさいです。削岩機が発明されてすぐの頃は水を噴射していなかったので埃が凄く、塵肺症で2年で死んでしまった人も多かったそうです。

この日の夕食はブルワリーに行って美味しい地元のビールを飲みながらアメリカンな食事となりました。

ふと思い立って私はBBQボークリブを頼んでしまい、ふにふにの柔らかくて甘いやつが出てきた時に「しまった!」と後悔しました。1年に一度くらいはふと思い立ってBBQポークリブを頼み、後悔しながら食べます。学習しない私です。

ホテルの宿泊者はなぜかBMWを自由に無料で借り出すことができました。キャンペーン中のようです。せっかくなので新型の四輪駆動の3シリーズを借りてみました。

さっそくスキー場の駐車場で記念撮影です。

新型の3シリーズはとても良く走りました。今流行のセミマニュアルシフト付きなので運転も快適。馬力も十分で、重いボディーをグイグイ引っ張ります。ブレーキはこれでもかというくらいよく利くし、言うことなしです。やっぱり高い車は違いますね。
さすがに重いボディーを3000CCのエンジンで引っ張るので燃費は良くないみたいです。車内のモニターでは平均で22マイル/ガロン(9Km/L)でした。でも、この車に乗る人はそんなこと気にしないんでしょうね。

ブレッケンリッジの街並みが遠くに見えます。とても楽しい試乗でした。

夜はある酒場に行きました。すると「前にも来たことがあるか?」「3年前にね」「そうか!覚えてるぞ!新聞ネタを見せたろ!」「そうだ!あんたは裸で池に飛び込んで警官に追いかけられたあんちゃんだ!」と一気に話が盛り上がります。(左の人)

良く3年前の事を覚えていてくれたものです。こっちも嬉しくて仕方がありません。「あの時はラリってフラフラになってたな〜」などと物騒な話で盛り上がりました。

真ん中の人はイラン人。「アメリカは世界の警察だなんて言っているけど誰もそんなこと頼んでない!嫌われる理由が分かってないんだ!」とこれもまた盛り上がりました。ついでに念願の露天風呂の情報もゲットしました。絶対行くぞ!

3年前に盛り上がった仲間で記念撮影です。一番右の人はオーナーです。もの凄く忙しい日だったので、写真に写りながらも左手でしっかりカクテルの調合をやってます。

「ぜひ冬にもまた来いよ。泊まる所くらい何とでもするから。ぜひ相談してくれ。また合おうな」そんな親切な言葉を何度も掛けてくれました。本当に楽しい夜でした。

最後に二人だけで記念撮影です。彼はこの春に東海岸の大学から帰ってきて、今はこの店で働いています。とても楽しいあんちゃんでした。

この旅の目次に戻る

「飛び出せ!セントルイスから」へ戻る